で、かと思えば、こういうぱりっとしたギャラリーっぽい展示もやったりしました。
松陰浩之さんの展覧会で、 この時にはじめて、自分達のギャラリーだけでなくて、 他の神戸アートビレッジセンターという神戸のアートスペースなのだが、 そこと連動してやりました。 こっちでは展覧会をやって、 そっちでは松陰さんがゴージャラスというバンド、すごいむちゃくちゃなバンドをやっているんですが、そのライブを向こうでやったりとか、しました。 自分達だけでできないことも、他のスペースとかの持ち味をいかしたり…。 ここでライブをやるのは大変だけど、向こうで展覧会やるよりはこっちでやったほうがいっぱい人が入ったりするし、いい、とか…。 よくみれば、いろいろできるじゃないかということがわかった展覧会なんですね。
都築さんの展覧会もやってもらったり、会田さんとかもきてくれたり 森村さんや、八谷さんとかもきてくれたりとか…。 今後のジーエムの流れを象徴してたかなあ、と思います…。
「会員制クラブ」っていったらあやしいですけど、 コミュニティーみたいなものをオーガナイズしてるんですね。 で、アウラも権利の問題でそのスペースはもうなくなってしまったらしいのだが、 ヘルシンキの街のど真ん中にヘルシンキ市から借りてたスペースがあって、 そこで、会員券を発行してて、 で、みんな年間いくらというか、けっこう聞いたら何万円ってけっこう高くてびっくりしたんですけど、 その会員券買うと、そのスペースに入ってもいいことになっているんですね。 そこにはビデオの設備とかコンピューターとかがあって…。 一番いいのはみんながごろごろできるでかいソファがいくつかあって、そういうスペースとそこに出入りする人達を出合わせることを主たる目的としてて。
その会員とかいうのがけっこう広範囲で、 お金をいっぱいもっている投資家の人たちが会員になってたりとか、 どっかのものを作ってるメーカーの社長さんとかも会員になってたり 大統領ではないけどえらい政治家の人とかも会員になってたりとか、 なんかそういう政治とか経済とかそういうものと、 芸術とかデザインとかいうものと融合させて いろんなプロジェクトを起こしていくという施設でありました。 すごいのはさすがフィンランドで、ノキアとかと提携して、中に電波を通していて アウラのスペースに「あ、だれだれがいる!」というように、今誰がそこにいるのか 会員にはわかるようになっていて、そのシステム自体もアウラのプロジェクトチームが 開発したとか、そういう頭のいいかんじのこともやっています。 で、彼らとは、別に仕事をするというのではないんだけど、 なんだかんだ理由を付けて会ったりとかいろいろ交流を持ってやってます。 この時は、ここのgmのスペースをアウラの事務所みたいに 使ってもらおうということで解放して、最初は何もなかったところに、 彼らがどんどん自分らのものを持ち込んでくるという展覧会でした。 アウラの代表者の一人であるトオウマス君というのが実はミュージシャンでもあったりして、楽器持ってきたりとか毎日ここで一人ライブとかをやってました。 CDとかもいっぱい出してる人で、ヘルシンキチャートでもいつもトップ10入りしているみたいな…。でバックバンドを連れて来れなかったので自分のCDをかけて自分でカラオケで歌うとか、そういうライブを毎晩やってたりとか、しかもそんなにお客さん来るわけでもなく(笑)二人とか相手にパフォーマンスしてたりとか、そういう楽しい感じでやってたりして面白かったです。 右の方の壁に貼ってるのが、アウラの人間関係図みたいなかんじで なんかものすごく複雑に絡まってて、 一番影響されるっていうか、すごいなと思うのが、 だいたいの人が職業というものを三つぐらいかかえてて、 カメラマンでありながら、さっきのミュージシャンであったりとか 昼間は工場でライン生産やってるとか、 けっこうそれが普通みたいな感じで、 自分の才能はひとつじゃないというか、できることはいくつもあるから、 そういうのをいろいろやって、で、ミュージシャンとカメラマンとライン工場製造者、という結びつきの中でできることをやろうという、だから、 コラボレーションしていくことが、ものすごい起こりやすい状況らしいでした。
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