第13回harappaレクチャー リポート11
そのあと、どんどん奈良さんとの
コラボレーションが
始まっていくんですけど、
これが横浜美術館であった
「NON-SECT RADIKAL」
っていう写真の展覧会で、
その時に作った、
「カブール・ノート2002」
っていう作品のための小屋です。
photo 横浜美術館
奈良さんのアフガニスタンで撮った
写真を観せるための部屋なんですけど、
最初アフガニスタン風に作ろうみたいな話で盛り上がったんですけど、
アフガニスタン風と言っても、僕はアフガニスタンに行ったこともないし、
よくわからんと思いまして、いろいろ作ってもなんかうそ臭いなっていうのもあって、
そこにあるもので作ってみたら、どうだろうと…。
きっとアフガニスタンの人も、そこらへんにあるもので作っているに違いないと思って、
新品の材料とかもいっぱい持ってきたんですけど、
横浜美術館の地下に潜らしてもらって、そこにあるボロいものと交換してもらって、
それで作ったりとかしました。
で、どうしても新しいものを使わなくちゃいけないときは新しいものを使いましたが。
そういう風に、見た目というより方法のところで、アフガニスタン風っていうか
アフガニスタンになればいい、ということで作ったものです。
photo 横浜美術館
これは実際に入ることはできなくて、ガラス窓から、中を覗き込むっていう感じなんですけども、中では、奈良さんのスライドが上映されているんです。
こういう割れた木のところから中を観たりとか…。こういう感じです。
それから、奈良さんにとってはgrafとの
プロジェクトで一番印象深いと、
言っている作品がこちらなんですが、
台北であった「Fiction Love」と
いグループ展がありまして、
日本人のアーティストを含め、
アジアのアーティストがいっぱい
参加しているグループ展だったんです。
photo MOCA Taipei
なんかね、奈良さん最初それ、断ろうと思ってたらしいんですが、
横浜美術展設営の時に一緒に作業してて、中華街に飯食いにいって、
入ったところがたまたま台湾料理屋で、豚バラ丼っていうのを食いながら、
「これうまいね!」って話をしてたら、
「そういえば、台湾で展覧会って話きてるわ」って話してて
「台湾、行こうか。」
って言うと、そのままでギャラリーに電話していろいろ会場のサイズとか聞いたりして、
で、その二週間後くらいに台湾に行って下見をしていた、っていう感じでした。
で、「台北サマーハウス」っていうタイトルなんですけど、
これも現地の材料で、現地にあるもので、作ろうっていうので、作った作品です。
まあ、何しろ、その時は4、5日しか作業日がなかったので、大変だったんですけど、それにしてはどでかいものを作ったなあと思います。
基本的には二階建てになっていて、
一階の部分にヘッズっていう奈良さんの作品がくるくる回っていて、
二階の白いほうがギャラリーみたいになっていて、手前の茶色いところがS.M.L.のM部屋みたいに奈良さんのスタジオになっています。
photo MOCA Taipei
ちなみにヘッズの部屋は窓みたいなところから、
頭を突っ込むと電気がついて回りだすっていうしかけになってます。
けっこうボロ部屋なんで、こういうすきまから覗けるとか、
床にこういう風に奈良さんもすごいいっぱい描いたりとか…。
この奥にあるのが、台湾ビールの壁、僕もここで飲んだんですが、
えーっと、台北の美術館は飲み食い禁止なんですが、
できた時に「わー乾杯だ〜!」って、
勝手に飲んでると、館長がわーーーって走ってきて、
「怒られるかな?」と思ったら、
「私も!(笑)」みたいに。
たぶん、そういうのもあって、思い出深いって言っていると思うんですけど…。(笑)
僕らはすごい大変だったなという思いもあって…。
というのは、美術館が暑くて、夜の7時になったら、勝手にコンピューター制御
されてるらしく、もうクーラーが止まってしまって、そっからは、
クーラーが入らなくて…。
grafチームみんな汗だくで脱水状態に近い状況というか、
ほとんど動けないみたいな感じで作ってました。
画像提供 横浜美術館 MOCA Taipei 禁無断転載
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