harappa映画館#42「ヤン ヨンヒ、母の物語『スープとイデオロギー』へ」

「ヤン ヨンヒ、母の物語『スープとイデオロギー』へ」

2021年、山形国際ドキュメンタリー映画祭 インターナショナル・コンペティション部門にノミネート (コロナ禍の中オンライン上映のみとなったこの映画祭では上映されなかった)された『スープとイデオロギー』は、2022年全国公開されると、ドキュメンタリー映画というジャンルを超えた高い評価を獲得した。いま、ようやく、弘前でこの作品を皆さんにお届けすることができる。
ヤン ヨンヒ監督の過去の長編3本(うちドキュメンタリー2本)は弘前でもharappa映画館で上映されたが、 上映後のトークでの、聡明でバイタリティーあふれる監督の姿を鮮明に記憶されている方も多いと思う。
その彼女の、3本の長編(『ディア・ピョンヤン』『愛しのソナ』『かぞくのくに』)で描かれ記録された両親について、どうしても納得しきれない部分があった。朝鮮総連の熱心な活動家だった両親は、「帰国事業」で3人の兄たちを北朝鮮に送るが、なぜ父と母は、「北」を信じ続けてきたのか?それは、ヤン ヨンヒ監督が感じていた疑問でもあったように私たち観客には思われた…
本作は、これまでの監督作品の「家族の物語」とりわけ「母の物語」の続篇であるが、その謎解きの物語でもある。
「家族の物語」のスタート地点である作品『ディア・ピョンヤン』とともに、お届けする。

開催事項

事業名:harappa映画館「ヤン ヨンヒ、母の物語『スープとイデオロギー』へ」
開催日:2024年3月16日(土)
会場: 弘前市民文化交流館ホール(ヒロロ4F)
主催:NPO法人 harappa
問合:harappa
  電話. 0172-31-0195(平日 9:00〜17:00)
  e-mail. post@harappa-h.org

協賛

○株式会社青南商事
○医療法人福成会菊地歯科医院
○笹法律事務所

タイムテーブル

13:30 『スープとイデオロギー』監督:ヤン ヨンヒ / 2021 / 韓国・日本 / 118分
15:50 『ディア・ピョンヤン』監督:ヤン ヨンヒ / 2005 / 日本 / 107分  

上映作品紹介

『スープとイデオロギー』

大阪・生野区生まれ、在日コリアンのオモニ(母)。2009年にアボジ(父)が亡くなってからは大阪でずっと一人暮らしだ。
ある夏の日、朝から台所に立ったオモニは、高麗人参とたっぷりのニンニクを詰め込んだ丸鶏をじっくり煮込む。それは、ヨンヒとの結婚の挨拶にやって来るカオルさんにふるまうためのスープだった。新しい家族に伝えたレシピ。そして母は娘のヨンヒに、はじめて自らの壮絶な体験を打ち明けた。1948年、当時18歳の母は韓国現代史最大のタブーといわれる「済州4・3事件」の渦中にいた……
朝鮮総連の熱心な活動家だった両親は、「帰国事業」で3人の兄たちを北朝鮮へ送った。父が他界したあとも、“地上の楽園”にいるはずの息子たちに借金をしてまで仕送りを続ける母を、ヨンヒは心の中で責めてきた。心の奥底にしまっていた記憶を語った母は、アルツハイマー病を患う。消えゆく記憶を掬いとろうと、ヨンヒは母を済州島に連れていくことを決意する。それは、本当の母を知る旅のはじまりだった。

『ディア・ピョンヤン』

大阪生まれの在日コリアン2世ヤン ヨンヒの監督第1作。
「山形国際ドキュメンタリー映画祭2005」アジア千波万波部門特別賞。
両親は朝鮮総連の幹部として一生を「祖国」に捧げ、 3人の兄たちは帰還事業で北朝鮮に「帰国」してピョンヤンで暮らす。家族は離散状態にある。なぜ両親は息子たちを帰国させたのか?なぜここまで祖国に忠誠を尽くすのか?彼女は、朝鮮総連活動家の父にカメラを向ける…10年にわたって記録された、 親と子の別れから和解へ至る家族の物語。

チケット(入替制)

2枚セット:2,000円
一般:1,200円
学生:500円
harappa会員:500円

チケット予約

件名に「harappa映画館」とし、お名前、電話番号、作品名、希望枚数を記載の上、E-mailまたはFAX、お電話にてご予約ください。
電話0172-31-0195(平日9時~17時) FAX0172-31-0195
E-mail post@harappa-h.org

会場周辺地図

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