東奥日報 2001/12/15付

  「奈良美智さん個展、来夏弘前で」  
 
 にらみ目の少女や子犬などをモチーフに国内外で活躍中の現代美術作家、奈良美智(よしとも)さん(42)の大規模な個展が来年夏、生まれ故郷の弘前市で初めて実現することになった。同展を支援する地元実行委員会の二回目の会合が五日、弘前市民参画センターで開かれ、開催が正式に決まった。

 同展は、今年八月から横浜美術館を皮切りに開催中の奈良美智巡回展(全国五カ所)のフィナーレを飾る。会期は来年八月四日から九月二十九日までで、同市吉野町の吉井酒造煉瓦倉庫を会場に開かれる。立体作品やドローイングなど新作を中心に展示の予定。

 昨年八月、同倉庫を訪れた奈良さんが、空間の美しさに魅了されたことが開催のきっかけ。奈良さんの知人らを中心に十月に実行委員会を設立、開催の実現に向け準備を進めてきた。

 奈良さんは弘前高校を経て愛知県立芸術大学大学院修了。一九八八年からドイツを拠点に制作を続け昨年帰国した。この間、欧州、米国、日本などで個展やグループ展を精力的にこなし、少女や子犬などの独特な表情が人気を呼び一躍、売れっ子作家に。開催中の全国巡回展も大変な人気を集めている。

 主催の「奈良美智展弘前実行委員会」(会長・岩井康頼弘前大学教授)は、東奥日報社、コミュニティネットワークCAST、弘前青年会議所、吉井酒造、奈良さんの知人らで組織。ファンがボランティアで運営に参加する方法も検討されている。
 

◆無断転載禁止◆

 
<<<TOP <<BACK