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入場者数を比べると、会期はそれぞれ五十日前後で、一番最初に開かれた横浜展は約九万八千人と別格だが、他三展は三万人に届かず、人口規模を考えても、弘前展の集客力がうかがえる。
若い女性に人気があるといわれている奈良さんだが、受付チーフの小野史子さん(30)は「二十代後半の女性は確かに多いが、客層は幅広い。特に週末は家族連れが目立つ」と指摘する。県外客も多い。実行委が行っているアンケートで、十五日に協力した約百七十人中、県外客は二割を超えた。
静岡県から訪れた鈴木幸恵さん(27)は「弘前展の評判を聞いて、駆け付けた。倉庫も何かがあると期待感を持たせる場所で良かった」と満足そう。「作品はよく分からなかった」という弘前市の男性(23)が「倉庫はアートのにおいがした。また活用してほしい」と話すように、倉庫の持つ不思議な空間の存在感が作品の魅力を引き立て、その調和のつくり出した独特の世界に感動した−という人が多い。
アンケートでも「ここに展示するために作った作品に思える」「展示によって作品の印象がこうも変わるのか」といった声が多く寄せられている。
作家の出身地で開催したのも集客に効果があった。奈良さんの幼なじみだという弘前市の中野彰彦さん(42)は「いい雰囲気の展覧会だった」と開催を喜ぶ。奈良さんの出身校・弘前第三中学校は「卒業生の作品を見に行こう」と全校生徒七百六十五人が十八、二十日の二日間に分けて、鑑賞に訪れている。
。同展の問い合わせは、実行委事務局(電話0172-31-0195)へ。
※写真は週末の昼ともなると、長蛇の列ができ、にぎわいを見せるグッズ売り場。グッズは既に完売したものも多い
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