東奥日報 2002/08/04付

  「『奈良美智展』開幕」  
    弘前市出身の現代美術家奈良美智さんの新作を集めた「奈良美智展」(実行委員会主催、東奥日報社など共催)が四日、同市の吉井酒造煉瓦倉庫で開幕した。奈良さんが小さいころから好きだった倉庫を会場にした、故郷初の大規模展は、家族連れや若い女性でにぎわい、初日の入場者は約千六百人に上った。

 会場には午前十時の開館前から、初日限定サイン会の整理券を求める人など二百人以上が詰め掛けた。開館すると、訪れたファンは細長い廊下を通り抜け、メーンの黒壁の展示場へ。倉庫内には、初めて公開された作品や子供をモチーフにした絵画など約四十点が展示され、鑑賞者は奈良さんのアートと歴史ある倉庫が共鳴して作り出す新しい世界を堪能した。

 

 
     触れたり、乗ることができる犬の立体作品は、子どもたちの人気を集め、弘前市の桔梗野小四年生中畑明子ちゃん(9つ)は「また見に来て、今度は一緒に写真を撮りたい」と誓っていた。

 作品のキャラクターグッズを販売するコーナーや、午後に行われた奈良さんのサイン会には、炎天下にもかかわらず、長蛇の列ができていた。

 同展のために、韓国ソウル市から来たという丁源英(チョン・ウォンヨン)さん(24)は「日本文化に興味があり、日本の友達に奈良さんの絵を教えてもらった。サインももらえたし、来て良かった」と笑顔を浮かべた。

 同展は九月二十九日まで。問い合わせは実行委事務局(電話0172-31-0195)へ。

※写真はメーン展示場の黒壁の大空間で、作品に見入る来場者
 

◆無断転載禁止◆

 
<<<TOP <<BACK